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広告業界の未来

第2回 interview

広告業界の未来を語る[株式会社コンテンツワン 代表取締役社長 山縣 泰彦 氏]

まず最初に、コンテンツワンの事業内容についてお聞かせください。

弊社は3本の事業を柱としております。

1本目はインターネットテクノロジー(以下、InterT)とインフォメーションテクノロジー(以下、IT)を支軸にした人材育成事業。
2本目は各種法人サイトの企画・制作・運用代行にわたるソリューション事業。
3本目がそれらの領域に特化した、人材供給事業(人材派遣、人材紹介)。

以上の3本がコンテンツワンの事業内容です。

なぜ人材育成事業なのでしょうか?

30年以上管理部門で採用に携ってまいりましたが、労働市場の実態と、企業の求人内容が一致していない事について、常々気になっていました。
採用のミスマッチは、我々のような新興市場(ネット広告)において成長の妨げになります。そこで、そのミスマッチをうまく解消できれば、業界の発展になるのではないかと考えました。

人材の成長について重要なポイントはどこだと思われますか?

重要なポイントは2つあると思います。

1つ目は個人のスキルセット。
我々はT字型のスキルセットと呼んでいますが、まずは「所属する業界において浅く広く全般的な知識を持つ事」、これを横線として、その横線から「特化した強みを掘り下げていく事」、これを縦線としてT字型と呼んでいます。
要は"誰にも負けない領域を持つ事が大切"という事です。

2つ目は個人のスキルの付け方です。
どのクライアントもサイトを作る事や、システム開発が目的ではありません。何のためにLP(ランディングページ)を作るのか?なんのためにシステム開発をするのか?そこにはそれぞれビジネス的な目的があります。ただ、スキルを付けるのではなく、ビジネスの観点を含めた考え方を能力値として上げていく事が重要だと思います。

山縣さんがコンテンツワン社長に就任されるまでの経歴や経緯について教えて頂けますでしょうか。

大まかに言いますと、今年で社会人30年目を迎えました(笑)。

新卒で、ある新聞社へ就職し、そこで総務・人事・経理の基礎を学び、その後米国サイベースに転職しました。
当時まだサイベースは全世界に100人くらいしか従業員がおらず、今のように大手ではありませんでした。
私がサイベースに転職した頃というのは、転職先というと国内の大手から大手というような転職ではなく、外資系企業がその大半を占めていたんです。人気の求人媒体はJapanTimesといったような(笑)。
転職=ベンチャーという時代でした。米国や欧州では大手だけど日本法人はまだ出来ていない、そういう企業が多く、日本法人が出来始めた時期でもあります。

その後、インテュイットの立上げに参画し、そのインテュイットが筆頭株主であるエキサイトの日本法人の立上げにも兼務で参画しました。
外資系に勤めていると面白いのが、親会社がいろいろ企業買収していると、買収先の子会社が日本にもあるんです。そうすると、必然的に日本法人同士の合併も出てきます。そこで、企業の統合を学ぶ事も出来ました。

その後、オプトと出会い人事部長として入社し今に至ります。

管理部門から経営に携るようになって何が大きく変わりましたか?

今までは人事だった事もあり、クライアントや株主について強く意識する事はありませんでした。頭の中の9割は、いつも社員の事やこれから社員になって頂く方の事で占められていたと思います。
そこにクライアントと株主が加わった事が一番大きな違いだと思います。

経営に携り事業を進行していく中で、面白いと感じた事業性はありますか?

「ネットビジネスをITが支えて、更に拡大していく。そしてそれを、コンテンツワンの人材が支える。」 これが理想です。

InterTだけでは、やれる事に限界があります。それを支えるITがセットになって、初めてもっと大きな事業拡大や変革が計れます。(インターネットテクノロジーとインフォメーションテクノロジーの融合。)
この事はコンテンツワンの事業ポリシーにもなっていますが、こんな時代でもInterT回り(Webやサイト回り)の求人は、非常に採用意欲が高いですよね?。逆に言えば供給不足です。
ところが基幹系の技術者に関しては、基幹系のサイト投資が大幅に減った為に、供給過多になっています。

でも実は、基幹系の技術者というのはネットやWebの領域に非常に近く、相性が良いんです。
これはオプトでも実証されていて、オプトのSEMコンサルの7割がもとSEです。ですから、この双方の融合を計り、需要と供給を解消し、個人のスキルセットの拡大としていく事に事業性を感じています。

インターネット業界で働く人たちのキャリアアップで最も重要なポイントは?

概念的な話になりますが、インターネット業界というモノは無いと思っています。
インターネットというのは、化粧品業界でも、不動産業界でも、人材業界でも、全ての業界で利用されているノウハウであって、いわゆる横串の、業界を横断している業界なんです。 という事は、単にWebサイトの制作スキルを上げていくだけではなく、「今までの経験・スキルをどの業界にどう活かしていくか?」
そういう発想を持ったキャリアアップを計っていく事が重要だと思います。

リアル広告からネット広告へシフトしようとしている人達にとって学ぶべき事はなんだと思いますか?

Webやネット広告の場合、その目的がブランディングやそういったものよりも、販売促進という視点が非常に強いと思います。だから、まず学ばなければならないのは、販売促進の考え方やノウハウ。これを理解する事がまずは一番重要な事だと思います。

コンテンツワンの今後の方向性についてお聞かせください。

目標とするのは、揺るぎないこの一点のみ。

InterTの領域にいる方々と、ITの領域にいる方々のスキルセットの融合です。

例えば、IT業界でプログラマー、SE、ITコンサルと上流に上がっていくキャリアパスがあるとすれば、ITコンサルの横の1つにメディアプランナーがあったり、eマーケッターがあったり、そういうのが追加されていく。
あるいは、プログラマーからリスティング広告の領域にシフトしていく。そういう双方の業界のスキルセットが融合して、それを支える知識レベルではなく、実務レベルの育成制度をコンテンツワンが提供していく事、これがコンテンツワンの最初のゴールだと思っています。

最後に、転職やキャリアアップを考えている方に一言お願いします。

この30年間で、1万人以上の面接を行い、数万件のレジュメを見てきました。しかし米国と比べると、日本人の職務経歴書というのは非常に短絡的なんです。

例えば、同じ月に応募する場合、応募する全ての企業に同じ職務経歴書を提出している場合が多いですよね?しかし、企業からすると「こういう経験やスキルを持った人が欲しい!!」というような求人情報をせっかく記載しているのだから、応募者に考えて欲しいものなんです。
応募先企業のビジネスを理解して、そこに書かれているものの中で、自分のキャリア上ヒットするものが幾つあるか?
それを整理して、その事を中心に出来るだけ詳細に書く。
それが企業に対する熱意だと思いますし、必ず選考側に伝わると事だと思っています。

是非これを実践して欲しいですね。

interviewer:プロフェッショナルメディア 若村

PROFILE

山縣泰彦(やまがた・やすひこ)。1955年生まれ。読売プロジェクトにて、人事、総務、経理の経験を積んだのち、1992年、米国RDBMSベンダー大手である米国サイベース社の日本法人の立上げに人事部長として勤務。約500名の規模に至るまでの事業拡大を遂行した後、会計パッケージソフトウエアベンダーである米国インテュイット社の日本市場進出に参画し、日本法人(現 弥生株式会社)のゼネラルマネージャーに就任し、会計/業務パッケージのベンダーであるミルキーウエイ株式会社と日本マイコン株式会社の買収・統合の人事・総務・法務の責任者として勤務。 米国インテュイットが筆頭株主であるポータルサイトISP大手の米国エキサイト社(Excite)の日本法人の人事部長を兼務し、日本法人の立上げを担う。その後、2005年1月に株式会社オプトに人事部長として入社し、2006年1月執行役員人事育成担当に就任、2009年2月株式会社オプト100%出資のグループ会社であるコンテンツワンの代表取締役に就任し、現在に至る。