- Q、まずはじめに、広告業界に入られたきっかけは何ですか?
- A、「高校卒業後、単身上京して広告代理店に入った事がきっかけです。もともと絵描きになりたかったんですよ。だけど当時は今みたいに色々な道がなくてね。田舎で絵描きを目指してもよかったんですけど、どうも田舎の絵描きっていうのは貧しそうでしょう(笑)。それでも絵が好きでしたから、高校卒業後グラフィックデザイナーを目指して単身上京したんです。」
- Q、経歴を拝見させて頂きますと、随分若くしての独立ですね。おいくつの時独立されたんですか。
- A、「25歳の時です。実はそれまでいた会社が倒産してしまいましてね。広告代理店でデザイナーのデの字を習った後、印刷会社を経て、当時としては名を馳せたプロダクションに入社したんですが、入社から5年位経った頃のことですか、諸事情が重なりまして会社が倒産してしまったんですよ。それでフリーになりました。」
- Q、その後DOVEの設立という訳ですね。DOVE設立から31年経った現在の広告業界とDOVE設立当時の広告業界とでは何が大きく変わったと思いますか。
- A、「何かおもしろい事をやってやろうという人や、なんでも新しい事にチャレンジしてやろうという人が少なくなった気がします。それと、パソコンの代頭ですね。今はなんでもパソコンでできてしまう。例えば円一つ描くにしても、誰が描いても同じ円が出来てしまうんです。だから、デザインが一様化してしまっている気がして面白くないんですよ。円を描くという事が簡単で当たり前すぎて、描く際のムラを楽しむというような気持ちが希薄になってるんじゃないですかね。」
- Q、パソコンでの作業が一様化の原因ということですか
- A、「そういう事ではないのですが、アナログからデジタルになってしまった事で、感受性や鋭さを磨くのに必要な修練とか鍛練を積まなくなってしまったと思うんです。色を塗るにしても決まった色があるから、絵の具のように一から色を作るようなことはしないでしょ。人間の直感やSixth Senseも鈍くなっているんじゃないのかなぁ。」
- Q、広告代理店との仕事はあまりしないとの事ですが。
- A、「今はそうですね。昔は請けていた時期もあります。大きなプロジェクトなどは、やはり大手代理店と取引した方が関われるんですが、仕事を請けると間にAEが入るんですよ。」
- Q、直接クライアントと関わりたかった?
- A、「クライアントが満足するものを作りたかったから直にやり取りをしたかったんです。クライアントからの要望や意見にAEの私見が入り、本当のニーズがダイレクトに伝わってこない」
- Q、 これからグラフィックデザイナーを目指す人達に一言
- A、「好奇心、アイデア、色々なこと特に人間に興味を持つ事、この3つがないとこの業界で生き残っていくのは難しいと思います。特に、コンピューターがどんどん進化して人の働き口がパソコンに奪われていく中で、アイデアやプランニングが一層重きをなしてくると思います。また、相手の心理を読む力がないと自己満足になってしまいます。是非頑張ってください。」
- Q、最後にグラフィックデザイナーとは?
- A、「グラフィックデザイナーとは、"必然性のあるものを効果的かつ美しくデザインすること"だと思います。それと自分にとって大切なことはCreationとSatisfactionかな!」
井上氏のオフィス・採光もよくとてもくつろげる
環境として周りからの評判がよい
今後の活動として・・・
■秋から、まったく新しい試み『まちのデザイン屋さん』がスタート。
・これまでデザインといえば、商業デザインのイメージが先行してしまい、一般の人達がオリジナルデザインを楽しむという意識は希薄だった。それを一新させるのが『まちのデザイン屋さん』だ。一般の人達を対象に、ファミリーのロゴ(家紋のような物)やマーク、個人のポスターやファミリー案内など(下記参照)、末永く残るような個人向けの物にスポットライトを当て、しかも従来の価格に比べ約10分の1という安価を実現した。現在、全国で加盟店も募集!より一層デザインが身近になる事は間違いなしだ。
※DOVE URL:http://www.dove.co.jp
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